不採択にありがち?事業再構築補助金の事業計画書における失敗点
2022年10月6日
補助金の採択を受けると、いよいよ事業への取り組みなどが始まっていきます。しかし実際にどのような手順で行っていけばいいか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか?そこで今回は事業再構築補助金が採択された後の流れや、必要な書類などについて詳しく紹介します。
事業再構築補助金に採択された後は、すぐに「交付申請」を行うため、交付申請書別紙のダウンロードを行なってください。
電子申請システムにアクセスすると、申請交付申請書別紙がダウンロードできるため、これらの書類を「交付申請書別紙1」として添付し、申請を行います。交付申請に必要な書類は以下の通りです。
…というわけで、それぞれの要点を見ていきましょう。
交付申請の際、計画の変更が必要になった場合は、交付申請の書類にくわえ変更内容と、変更する理由を記載した書類が必要となります。内容によっては変更が承認されない可能性もあるため、変更する内容ごとに手続きを確認してください。
例えば、購入項目や補助事業実施場所を変更したい場合は、交付申請書別紙1に変更する理由と変更内容を記載した上で、経費明細表の名称や金額と一致しているかを確認してから提出します。また代表者・社名・本社所在地などが変更になった場合は、社名変更届書が必要になる場合もあります。
変更内容 | 必要書類 |
補助事業者の補助事業者情報等 (代表者、社名、本社所在地等)の変更 |
|
購入する機械装置(単価50万円(税抜)以上)等の変更、10%以上の経費配分の変更 |
|
建物費にかかる変更、取得する主な資産(単価50万円(税抜)以上)の変更 |
|
補助事業の計画の変更 |
|
事業実施体制の変更 |
|
補助事業実施場所の変更 |
|
補助事業承継 |
|
補助金はほとんどが後払いですが、事業再構築補助金では「概算払い」が可能です。概算払いとは、補助金を一定の割合で先払いしてもらえることを言います。概算払いは必要な書類をそろえて提出し、事務局に認められた経費が対象です。また支払われる額の上限は以下のように定められています。
支払済み経費(納品済みであること)補助対象経費×補助率×0.9
例えば補助対象経費が500万円だった場合、補助率3分の2と0.9をかけると、上限額が300万円であると計算できます。申請に必要な書類は以下の通りです。
これらの書類をJグランツから提出すると審査が行われ、承認後1~2ヶ月程度で指定口座に振り込まれます。概算払い申請は1回しかできないため、漏れや抜けのないよう注意しましょう。
補助事業は事業計画に記載された設備投資や購入品、納品、検品、支払いなどの手続きが全て終わった時点で完了となります。また事業の完了日から30日後、もしくは補助事業完了期限日までに実績報告書を提出しなければなりません。必要な書類は以下の通りです。
そのほか、卒業枠など類型によっては別途書類が必要な場合もあります。詳しい情報については、事業再構築補助金の公式サイトにある「実績報告書等作成マニュアル」をチェックしましょう。
提出した実績報告書は事務局にて検査され、実際の事業実施場所を訪問し成果などを確認する「確定検査」なども行われます。例えば補助対象となっている経費が実際に使われているか確認するため、現場での使用実績などをチェックします。
これらの検査に問題がなければ補助金額が確定すると「様式第8 補助金確定通知書」が通知されるため、「精算払請求書」で補助金の請求を行ってください。このように、補助金の支払いは額が確定してから初めて行えるようになるのです。精算払請求書を提出すると2週間~2ヶ月程度で指定の口座へと振り込まれます。
事業再構築補助金において補助の対象となる経費は11種類あり、どの経費が該当するかを確認することが大切です。そこで最後に主な経費の種類と具体例について、簡単に紹介します。今回紹介する以外の経費については事業再構築補助金の公式サイトにも記載されているため、そちらも併せてチェックしてください。
事業計画に必要な建物の建築・改修、撤去、賃貸物件の原状回復、貸店舗などの一時転移にかかる費用などのことです。単純に建物購入や賃貸契約などを行う場合は、対象外となります。
旅行客向けに中華料理店を経営していたが、売上が落ち規模を縮小するためにかかった店舗の修繕費
Webツールなどのクラウドサービスに利用した費用のことです。補助事業専用で利用しているサービスの利用費のみが対象であり、サーバーやパソコン代などは対象外となります。
アパレル事業者が、オンライン販売を開始するために使う決済サービスの利用費
機械装置や設備、工具・器具の購入、または専用ソフト、web予約システムなどの導入にかかる費用のことです。基本は新品が対象ですが、3社以上から相見積もりを依頼すれば中古も対象となります。
レストランを経営していたが、弁当販売へシフトするために必要となったWebシステムの構築費
宅配や輸送料など、運搬にかかる費用のことです。ただし機械装置の運搬費用は機械装置・システム構築費の対象となるため注意が必要です。
新規事業で販売する製品のプロトタイプを工場から本社まで運搬する費用
事業で開発した製品などの広告作成や、各種媒体への掲載、展示会出展、セミナー開催などにかかる費用のことです。補助事業実施期間内に行われることが条件となります。
新規事業で新たに開始した、エンターテイメント施設を宣伝するために作成したCM動画やポスターの費用
今回は事業再構築補助金が採択された後の流れや、必要な書類などについて紹介しました。事業再構築補助金の採択後は、さまざまな書類の準備と手続きが続くため、非常に労力が必要となります。しかしどれも重要な手続きであるため、手を抜くことはできません。
株式会社High Adoption(ハイアドプション)では、事業再構築補助金やものづくり補助金の申請支援をしています。補助金でお困りの方は、ぜひ補助金のプロであるHigh Adoptionにお気軽にご相談ください。